広島県の三次市と島根県の をつなぐ松江自動車道。約70キロが無料というありがたい自動車専用道路ですが、先日、とっても怖い体験をしました。煽り運転とかではありません。ガス欠。そう、ガソリンいれ忘れという全く自分の落ち度による怖い体験です。でも、そこには、その道路の立地と切り離せない意味合いがあったのです。
友人から借りたスズキワゴンRでガソリンの警告ランプが点灯したのは、午後6時すぎ。山陰自動車から宍道ジャンクションを経て松江道に入って間もないことでした。日は暮れかかった時間帯です。
通常、ガソリンメーターが0をさしても100キロほどは走ると聞いてはいます。とすれば、70キロ先の三次まで行けば何とかなるはず。とはいえ、自分の車ではないし、どれだけ走るか分かりません。できれば、さっさと補給したいところです。
松江道というのは無料の代わりにSAやPAがなく、トイレ休憩はインターチェンジ近くの道の駅で済ますという造りになっています。無料だからこそできる仕組みです。まず、そうした道の駅のガソリンスタンドを検索してみました。3つある道の駅、いずれもスタンドはありません。
インターチェンジを降りてその近くで検索してみます。多少出てくるのですがいずれも営業時間外。集落も見当たらず、それに道に迷いそうで、とても行けません。
山陰山陽をつなぐ道路として国道54号があります。あちらは山間部とはいえ集落と集落をつないでいますが、松江道は山間部をまっすぐ突っ切っており、家々はほとんど見えません。
ガソリンを使わないようアクセルはできるだけ踏まず、制限速度の70キロを守ります。片側1車線です。あっという間に後ろに列ができます。申しわけなく思いますけど、仕方ありません。時折遭遇する2車線の追い越し区間ではスピードを落とし、抜いてもらおうと思うのですが、案外、抜いてくれません。一度だけ見た掲示は三次まで50キロでした。
7時をすぎました。何度かスタンドを検索しますが、営業時間外。三次で24時間営業のスタンドを見つけましたが、かなり先です。恐怖はトンネルです。5キロ近い トンネルをはじめ、2キロぐらいのトンネルが次々、現れてきます。アクセルをふかさぬよう、速度が落ちぬよう細心の注意をしながらの運転ですが、何と長いことか。片側1車線の道路なので、もし止まったら、どんな事故が起きてしまうのか、考えるだけでも怖いし、命の危険も感じます。
おまけにトンネルのある場所は、険しい山間部でライト一つ見えないのです。印象としては三次に近づけば近づくほど、暗くなった感じがして、もう許してと何度も叫びたくなりました。
警告ランプがなって約1時間ほど、とうとう三次市内へつながる三次東インターに到着しました。三次ジャンクションから中国自動車道に抜ける方法もありますが、中国道に当分、スタンドがないことは来る途中、表示を見て知っていました。
インター降りたところで検索すると、1キロほどに22時ぐらいまで営業しているスタンドが見つかりました。現在8時過ぎ、まだガソリンは持ちそうな雰囲気でした。ダメでも1キロぐらいな何とかなるかな。時刻は午後8時半近く。すると、スタンドが見えてきました。「やったー」と心で叫びます。
到着してセルフで給油します。どれぐらい入るか分からなかったので、取りあえず現金4000円を入れると、全部使い切ってしまいました。表示は24リットル弱。まだまだ入る雰囲気でした。満タンで27リットルぐらいだから、たぶんぎりぎりまで使っていた可能性が高いです。いやあガス欠はダメです。ただPAもSAも作らず、道の駅などドライバーの味方が夕暮れには終わってしまう自動車専用道路。コスト優先とはいえ、もっと優しくできる仕組みを考える必要があるのでは思ってしまいます。