2018年12月12日水曜日

話題の「空母」いずもを見た 横須賀で軍港クルーズ、日米の艦船

 日本で数少ない海上自衛隊の基地がある横須賀の軍港めぐりに出かけてきました。同じような軍艦見物クルーズは広島県呉市にもあり、昨年2月に見ましたが、横須賀は米海軍と同居してるのが、お楽しみ。晩秋とは思えない暖かい日和が続く11月下旬、軍港クルージングを満喫しました。米空母ロナルドレーガンはいなかったけど、空母への改造が決まった「いずも」の巨体は見られましたし。


45分クルーズ、1400円


 以前、ヴェルニー公園を散策した際、クルーズ船を待つものすごい列を見た記憶があります。あれじゃ大変と、平日に出かけることにしました。ホームページに予約人数が出ており、十分余裕があると判断しました。ショッパーズプラザ横須賀に車を停め、隣接する軍港巡りのメインターミナルでチケットを購入します。1400円なーり。乗船時間は45分とのことでした。午後1時のスタートまでしばらく時間があるので、ショッパーズプラザの中をぶらぶらしたり、海を眺めたりして乗船5分前に並びました。船は250人乗りとのことでしたが、並んでいる数は50~60人ほど。のんびりとクルーズできそうです。

2階のデッキで見学


 乗り込むとすぐに2階のデッキ部分に登ります。1階の客室は視界が遮られそうで、360度見渡せるデッキの方がよく見えそう。ただし、外は体感温度がはるかに寒いだの波があれて水しぶきを浴びる可能性があるなど注意事項をアナウンスが続きます。話している案内人は女性でした。

米軍側に海自の潜水艦


 いよいよ出航です。乗り場一帯はほとんど湾の中なので波静かでスムーズに走って行きます。進行方向右手が米軍横須賀基地で英文の看板が見えます。左手のヴェルニー公園側に海上自衛隊の基地があり、艦船が停泊しています。まず右手の説明で、米軍基地でありながら自衛隊の潜水艦が停泊しています。ここだけは自衛隊基地になっているとのこと。真っ黒な船体が結構、物々しい雰囲気があります。

巨体のいずも


 左手には、早々と本日のメインイベントが登場しています。自衛隊最大の船「いずも」です。ヘリ搭載護衛艦などの呼び方がありますが、見た感じはどう見ても航空母艦。広い飛行甲板があり、その大きさは長さ248メートルと太平洋戦争中の旧海軍の空母を上回る大きさがあります。先日、来年以降、空母として改装するとの報道があったばかり。搭乗するのは米国のF35という最新型ステルス戦闘機だそうです。日本海や東シナ海で中国艦船とにらみ合いなんて、想像するだけでなんか物騒です。

事故の米イージス艦も


 今度は右手。米軍イージス艦が3隻見えます。うち1隻はシンガポールでタンカーと衝突し、乗組員が10人死んだジョン・S・マケインで、修理中らしくあちこちに覆いがかかってました。ブリッジに2枚の6角形のパッチのようなものがついています。案内人から「あれがレーダー」との説明がありました。ぐるぐる回すと、死角ができるけど、このタイプは360度全部、見られるのが特徴だそうです。米軍80隻に対し日本は8隻とか。巨大な米海軍、1隻1500億円といわれる高価な軍艦をヤマほど作っちゃうのね、とびっくりです。

波静か、揺れもなく


 東京湾に出て行く途中に、コンクリートの箱のようなものがいくつも海上に顔を出しています。艦船は航行しているうちに磁気を帯びていくもので、そのままにすると磁気に反応する機雷を爆発させる恐れがあるそうで、その磁気の程度を測る装置なのだそうです。いろんなものがあるものです。
 東京湾に出でましたが特に波の荒さは感じません。揺れも全然です。午前中はそれなりにあったようですが、午後に入り穏やかになったみたいです。

海上自衛隊基地へ


 クルーズ船は東京湾から事実上の人工島の吾妻島沿いに海上自衛隊の総監部がある長浦港に向かいます。吾妻島は元々半島だったのですが、1899年(明治22年)、ブルドーザーもクレーンもない時代に人力によって切り開き、海峡にしたとの説明がありました。旧海軍が艦船の出入りを短縮するために行った工事ですが、すごいことをやるもんだと思います。ただし、現在は米軍が使ってるみたいだけど。
 長浦港一隊は、自衛隊の基地になっています。護衛艦や海洋調査船がずらりと並びます。この辺りになってくると、「いずも」ほどの大きさはなく、イージス艦ほどの迫力がないためか、少々、だれ気味になってきました。呉でたくさん見てきたせいもありますけどね。

新井掘割水路を通って帰着へ


 潜水艦がこちらにも停泊していました。案内では「潜水艦を見られるのは珍しい」と言ってました。そうかあ、1988年に事故を起こした「なだしお」はこちらの船だったのねと思い出します。ただ、呉に行くと、国道沿いに5隻も6隻も見られる場所があります。コンビニに車を止めて見るなんてこともしてました。
 本土と吾妻島との間の新井掘割水路を通って、クルーズ船は出港場所へ向かいます。何隻かの自衛隊艦船を眺め、最後は再び「いずも」です。昨年、ヴェルニー公園を散策したときは、同じ場所に「いずも」と同一の船で完成したばかりの「かが」停泊してました。護衛艦とは桁違いの大きさ。海面から甲板まですごく高く、横からだと空母的な部分はほとんど見えませんけどね。ただ、正面に来ると、飛行甲板が横に広がっているのがよく分かります。

たとえ武器と分かっていても、わくわく


 45分でぴったり戻ってきました。ホントに好天に恵まれ、寒さを感じないクルーズでした。「軍艦はしょせんは武器で怖いものと思っていたけど、最新鋭の軍艦とか見たら、どこかわくわくする感じがする」。こんな女性の声が聞こえてきました。気持ち、すごーく分かります。だからこその人気なんでしょうね。
 そうそう、米原子力空母ロナルド・レーガンは出航中でいませんでした。その数日後、帰港したという記事が新聞に載ってました。

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