褒められるのはマラソン銀メダルぐらい
出足はまずまずだった。女子マラソンで野上恵子が銀メダル。優勝のバーレーンのローズ・ケリモは昨年の世界選手権の覇者であり、最初から勝負はついていた。ただ北朝鮮、韓国、中国といつもなら競り合って敗れる国の選手を振り切っての2位だった。だからといって、アジア大会でものすごいタイムを出し、シドニー五輪金につないだ高橋尚子とは比べるべくもないが。
2017年スーパー陸上の福島千里 |
福島千里の不振が連鎖
不振は大会前半、女子短距離のエース福島千里の予選落ちから始まった。8年前の広州アジア大会で日本女子選手初の100、200短距離2冠を達成した彼女も30歳となり勢いも衰えたのか。足の故障もあったようだが、不振の連鎖はなぜか短距離2番手の市川華菜にもつながり、100は準決勝に進んだものの、12秒台というインターハイでもみられないような記録で敗退する。
かつてはアジア大会でのお家芸だった長距離も同様。1万メートルの堀優花は入賞といってもぎりぎりの7位。5000メートルの鍋島莉奈は一時、先頭を引っ張るなど検討したものの、優勝したBEFKADUのペースアップにはついて行けず、後方からの追い上げでやっと4位。
4×400リレー、専門ランナーが0
ハンマー投げ、競歩、5種競技で銅メダルが取れたが、常に上位入賞を果たしてきた400リレー、4×400リレーはともに5位に終わった。400は福島不在というハンディはあったが、4×400は、400専門のランナーでメンバーは組めず、3人が800専門、残り1人も400ハードルの選手。ベトナムにも後れを取った。この結果、2014年の仁川大会で銀5、銅5を獲得したのに比べ,銀1,銅3とメダルの数を減らした。
中東のレベルアップはあったけど
バーレーンやカタールなど中東各国がアフリカから有力選手を獲得し国籍変更させて出場させる傾向が強まり、レベルが上がったとはいえ、明らかに2014年当時と比べ,日本選手のレベルは落ちている。
以前から不思議に思うのだが、インターハイで好記録を出した女子選手が,大学社会人と年齢を重ねるごとにタイムが落ちていく姿をよく見ることだ。特に短距離選手に多く、まっすぐ成長していったのは福島千里ぐらい。2013年日本陸上400で、高校生ながら日本歴代2位となる52秒52で優勝した杉浦はる香などその後、消えてしまった選手は多い。
高校生で消えていく
いくら女子は成熟が早いといっても、高校生の時がピークなんてことはあり得ない。指導法がどこか間違っているのか、彼女らがモチベーションを失うような何かがあるのか。一時期に比べてレベルは下がったものの、長距離は実業団になって成長していく選手はいくらでもいる。2020年の東京五輪に地元開催で優先的に出場できる日本選手が、世界とかけ離れたレベルで敗退していく姿はあまりにも悲しいのだ。
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