でもあの映画で印象深いのは松田優作でもなければ、怖い顔のおじさんたち、妙なチンピラ役の千葉真一でもない。今やNHK朝ドラ「半分青い」で死んだおばあちゃん役の風吹ジュンだろう。公開当時、27歳ぐらい。いわば清純派としてイメージが強かった彼女が、松田優作と激しいベッドシーンを演じ、バストトップまで見せていたからだ。
当時の女優さんは、ホントによく脱いだ。ただし、風吹ジュンの場合、スレンダーボディからは想像できないような豊満なおっぱいをしていたが。ただし、釣り鐘風ではなく、ちょっと扁平だったけど。
バストトップ、騎乗位、バック
映画は昼間はうだつの上がらないサラリーマンの松田優作が上司の悪事を巡って暗躍し、ひと儲けを狙うというストーリー。風吹ジュンは、冒頭に示した怖い顔軍団の1人、成田三樹夫の愛人の永井京子。松田優作はおとぼけキャラを装って近づき、媚薬か麻薬を仕込んだタバコを吸わせて、欲情を高まらせ体をものにする。
ホテルに入った2人。全裸の京子は松田優作に駆け寄り、お姫様だっこでベッドに。正常位から騎乗位のシーンでカメラは真上から乳房をとらえる。一夜明けたと思われるシーンでは、ガウンがはだけてで乳房が見える姿で薬入りたばこを吸う京子を松田優作がバックで突くシーンも出てくる。セクシー女優そのものだ。といってもそのシーンはわずか1、2分しかない。エロいシーンを短時間に詰め込んだという演出だ。ただ、そのシーンの印象はかなり強烈だった。
あのころ、女優さん、ホントによく脱いだ
舌足らずの話し方に童顔。あのころの女優の流行だったのか、桃井かおり、秋吉久美子、関根恵子、森下愛子。今思えば、どこか似た雰囲気がある。いずれもすごく色っぽかったりセクシー女優というイメージはないものの、ビキニやバストトップだけを隠した中途半端なヌードになる前に、一気に脱いだというイメージが強い。彼女らより少し年下のアイドルたち、山口百恵や森昌子、キャンディーズやピンクレディは全く違った育ち方をしたこともあるのだろう。
脱ぐことが必然性?
というか、体を見せることを厭わなかった世代ともいえるかも。決してプロとは言えない前衛の学生演劇をやっていた知り合いの女子学生が、大学祭の舞台でいきなり脱ぐという出来事があった。いわば、演出上の必然があれば脱ぐのはふつー、という考え方。しかしこれままた奇妙な話で、脱ぐことが必然性などいうのは、明らかに一方的な見方で、そんなものはいくらでも変えることができるはず。
とはいいつつ、美しい女優さんのヌードはやっぱり嬉しい。風吹ジュンはその後、世界的なフォトグラファー、デイヴィッド・ハミルトン撮影によるポスターで大胆なヌード写真を披露。しばらくの間、セクシー女優としても活躍した。時を経て、彼女はきれいなおばあちゃん役が当たり役になった。時間の過ぎるのは早いものだ。
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