2018年7月14日土曜日

こんなに雄大なスポットだったんだあ 6年ぶりの浄土平、吾妻小富士

 6年ほど前、磐梯吾妻スカイラインを通って日暮れ前に着いた浄土平は、霧のために夜みたいに真っ暗、周囲が全く分からず、さっさと下りました。それが、こんなに雄大な光景が広がる絶景ポイントだったとは。例年より大幅に早く梅雨が明け猛暑となった7月初め、首都圏から久々に浄土平にドライブしました。前回は東北道の福島西インターから115号経由でしたが、今回は真逆の福島市内からスカイライン(県道70号)を通るコース。


「高い」不動沢橋


 土湯の温泉街を抜けると、どんどん標高が上がっていきます。道路わきに何台かの車が停車し、その先に橋が見えました。橋を通りながら横目で見ると、なかなかの絶景。
 「見なきゃもったいない」と橋を渡ったところのパーキングに車を止め、橋を戻っていくと、不動沢橋と書かれてました。歩いてみると、結構、強烈な高さ。高所恐怖症ではありませんが正直「怖えー」という高さなのです。「つばくろ谷」をまたいでおり、高さは84メートルと説明されていますが、もっと高い感じ。200~300はありそうな高さです。以前来たときは、存在さえ気づかず、さーっと通り抜けたようです。作家井上靖が選定し命名した吾妻八景の一つとのこと。ガスでもやって市内までは見えませんでしたが、紅葉の季節だとどれほどの絶景かと想像するだけですごくワクワク。


浄土平へ ビジターセンターにレストハウス


 火山らしく岩肌がむき出しになり、大きな岩がごろごろ転がる「天狗の庭」を通り過ぎると、ビジターセンターやレストハウスが並びスカイラインの中核的な場所の浄土平です。天狗の庭の手前付近では火山ガスの危険を避けるため窓ガラスを閉めるように示した看板が出ています。
 浄土平に到着です。左手に吾妻小富士、右手には一切経山の雄大な光景が広がります。前回、見えたのはレストハウスに吾妻小富士の登り口だけだったのに。こんな風になっているのかと感激です。岩肌から煙が上がる一切経山、岩肌と緑の木々のコントラストがとても鮮やかです。

丸太階段で吾妻小富士山頂へ


 さて、ここで最大の目標である吾妻小富士登山に向かいます。20メートルも先が見えず断念した前回。今回は頂上付近まで見えます。丸太がしかれた階段をゆっくりと登っていきます。、一応つづら折にはなっていますが、かなり角度が急でちょっと登っては休みの繰り返し。それでも15分ぐらいで火口へりに着きました。下から見たときは想像もしていなかったけど、眼前にはぱっくり口を開けた大きな火口。火口のふちをぐるりと回れるらしく、遠く真向かいに人の姿が見えます。すでに活動を終えたようで火口底には溶岩などは見えず、ただの土の土地です。


火口の周りを1周、1時間ちょっと


 左回りに歩き始めました。小石が敷かれるなど、整備されています。なだらかに見えたけど、結構、きついです。1周の4分の1ほど進むと、大きな岩で道が狭くなっています。これって登山客を楽しませるための工夫?そんな感じもします。火口側を見ると、岩壁からごつごつした溶岩が冷えて固まった風の石が突き上げています。
 浄土平から登り始めて約50分。もっとも高いところに着きました。標高1707メートル。浄土平が1580メートルなので120メートルほど登ったことになります。
 大きな岩がぽつんとあり登って座っている人もいます。天気が良ければ360度のパノラマですが、残念ながら霧が濃くて何も見えません。山のお天気はこんなものでしょう。

戻りはさすがに楽


 戻りはそのままぐるっと反対側に進みます。左回りのコースは最初きつめだけど、途中からなだらかに。ただし、戻りは結構下り勾配がきつくて、足が滑る滑る。

 すってんころりんしないように、膝を曲げて前屈みにゆっくりと下りました。若くはないのでちょっとこけただけでもとんでもないことになる恐れもありますし。もっとも数分で脱出できましたけどね。再び階段を降りて浄土平へ。トータルで1時間15分ほど。最高点部分からの戻りは早く20分程度でした。健脚な若者だったら30~40分ほどで帰ってきそうです。

ど迫力の一切経山は活発に活動中


 火口をぐるりと回るって経験は伊豆の大室山以来です。こうした火山を見るって雄大かつ神秘的で楽しいです。ところで浄土平を挟んで反対側にある一切経山。標高200メートル以上高く、壁面からガスが吹き出すなど迫力十分です。1893年、噴火して観測中の技師2人が死亡するなど活発に活動しているとのこと。穏やかな吾妻小富士とは対照的ですが、あちらも本格的な登山ができるようです。

一切経山

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