2018年5月21日月曜日

久々に広島やくざの映画 バブル期「仁義なき戦い」?

 広島やくざの抗争を描いた映画「弧狼の血」を見ました。広島やくざ映画と言えば、菅原文太らやくざが中心の「仁義なき戦い」シリーズでしょうが、今回は刑事の役所広司、松坂桃李が主役。時代はバブル崩壊直前の昭和の終わりごろ。NHK朝ドラ「半分青い」も同じころの時代設定。あの時期を描くのがちょっとはやりなのかしら。


役所広司のワルぷりがたっぷり


 それにしても、かなりの豪華キャスト。真木よう子、滝藤賢一、竹野内豊、中村獅童、ピエール瀧、石橋蓮司、伊吹吾郎、江口洋介。なかなかの顔ぶれです。やくざの情婦でクラブママの役がぴったりの真木よう子。竹野内、江口のハンサム2人もきっちりやくざ役をこなしてました。石橋の悪役ぶりも相変わらず。
 ストーリーは役所のワル刑事ぶりがしっかり描かれます。被害者の妹MEGUMIに風俗サービスをさせたり、やくざから賄賂をもらったり。地元ではエリートの広島大学を出た松坂は新米刑事風ですが、実際には刑事の不祥事や犯罪を取り締まる監察官滝藤の回し者。悪徳の役所を逮捕しろとばかりご注進します。


新米刑事、実はスパイの松坂桃李 今後もシリーズになるのかな


 広島の組が呉に進出しようとして、抗争が起き、チンピラが殺されたり、鉄砲玉が組事務所に発砲したりというおきまりの筋。だけど、あまりそちらに重きはなくて、役所が暴力団担当という特殊な世界の刑事の仕事を松坂に説き、松坂が反発しながら鍛えられていく、これまたよくある刑事物語にもなっています。まだ公開されたばかりなのでネタバレは避けますが、へえー、刑事中心なのにこういう風な決着になるんだあ、とそこはちょっと斬新なのでこうご期待。ま、そこもやくざ映画の常道ですが。

 一つ思ったのは、この映画が仁義なき戦いのようにシリーズ化されるのか。全く違う筋立てにしてしまうのか、今回で生き残ったやくざたちの話にするのか、ってことですかな。一番のポイントは松坂でしょう。役所の内実を知った松坂が、「青い」大学出の新米刑事から脱却して、ホントのマル暴デカに成長していくのか。うまくやれば当たり役にもなれるかも。ちょっと難しいかな。

女優生き生き、とびきりの阿部純子



 ところで、女優さんたちが妙に気になった映画でもあります。ほんの一瞬しか出ないけど、MEGUMIのやばそうな女っぷり。やくざ世界の典型的な女を演じた真木よう子。右翼のピエール瀧の妻を演じた町田マリーの狂いっぷり。みんな、なかなかすごかった。松坂の相手役にもなるワケありの薬剤師、阿部純子がとびきり可愛い。下着姿になるぐらいで露出は激しくないですけど、その可愛さはおそらく間もなくTVの世界に入ってくる感じがします。ラストに見せた超ミニのボディコン姿はけっこうびっくり。そういえば中村獅童の記者って変。


 しかし今ではすっかりさびれ、飲み屋街も大幅に減った呉という町でよくぞロケできたものです。寂れたから撮れたかもしれないけど、猥雑な雰囲気はなかなか出ないものでしょう。「この世界の片隅に」で呉は「聖地巡礼」の町になりましたが、この映画でも聖地巡礼の動きがあるかも。決して観光したい町じゃないですけどねえ。

 最後に広島弁です。仁義なき戦いもかなりひどかったけど、今回もちょっと聞き苦しい。違うんだよなあ、どこか。むかし、男の広島弁はかっこよくて、女の広島弁は可愛くないと言われたけど、阿部純子の広島弁はなかなか可愛かったです。蛇足ですけど。

 

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