2018年4月29日日曜日

SNS時代の観光スポット「元乃隅稲成神社」やっぱりインスタ映え?

 これといって歴史や特徴があるわけではなく、日本中どこでも見られるような小さなお稲荷さんが世界注目のスポットになってしまう。まさにSNS全盛の今の時代を代表するような観光スポットが山口県長門市の「元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)」です。はるばる出かけてきましたが、なかなかの絶景ではあるものの、本州のほぼ西端にこんなにたくさんに観光客が訪れるのは、やっぱりインスタ映えってことなんでしょうね。

日本列島西端だけど、渋滞で車動かず


 広島市から萩市を経由して国道191号で元乃隅稲成神社へと向かいます。スマホカーナビを参考に走っていると、元乃隅稲成神社の道案内の看板。この種の看板は有名な観光地以外では見かけないものですが、もうメジャーなのかとびっくりします。
 GW突入の1週間前、好天に、恵まれた日曜日。首都圏ならとんでもないことになってるんだろうけど、ここは列島西端、とたかをくくっていましたが、神社へ通じる道は渋滞で車が動かず。(あとでからくりが分かるけど)しかも道路が登りになっていて先が見えないため、いったいどれぐといらい待たされるのかと不安になります。

臨時駐車場は1キロ先の坂の下


 待つこと30分ようやく前が動き出しました。それにしても、戻ってくる車がいません。一方通行なのかしら。パパを車に残し、歩き始める家族連れもいます。ほどなくして、神社が見える位置に出ました。そこには看板が。「臨時駐車場まで800メートル」。これだけ待って1キロ近い場所に停めるのかとがっくりです。おまけに駐車場からは全部、上り坂。といって今さらUターンする気にならず、駐車場にと向かいます。途中、駐車場整備の看板が見えました。この観光客だもん、当然だよなあ。
 漁港そばの臨時駐車場へ車を停め、ゆっくりと坂道を歩きます降りてくる人も結構、多い。普段静かな漁港の人たちは、さぞびっくりだろうな。

本殿ってどこかしら


 歩くこと15分ほど。ついに神社に到着しました。崖上から海方向へと連なる赤い鳥居、荒々しい半島、そして青い日本海。雄大な風景です。さてお稲荷さんの本殿はどこ?と探します。階段の上の鳥居の周囲でみんなが集まっています。よく見ると、鳥居の上の方に取り付けられた賽銭箱にみなさん、賽銭を放り投げています。日本で一番、入りにくい賽銭箱?ちょっと奇をてらいすぎでしょう、これ。


CNN曰く,日本を代表する光景


 その先にお稲荷さんの祠がありました。そこでまず参拝。でも、あれって単なる祠だよなあ、と思いつつ、階段を降りると、そこにも小さな祠。幅1メートルほどしかなく、本殿とは言い難い存在でした。由緒などの説明も見かけません。
 調べてみると、地元の網元が見た白キツネのお告げがきっかけで、昭和30年に島根県の太鼓谷稲成から分霊された神社だそうです。よーするに漁師町のちょっとした祠以上の物ではありません。ところがアメリカのCNNがなぜか日本を代表する光景として、厳島神社、姫路城などと取り上げたことで一気に人気に火が付いたようです。確かに風景は美しいし、見たことはない景色。でも、あの祠でそれほど霊験新たかかなあ。

鳥居の向こうは平らな岩場


 2つの祠にお参りして、いよいよ鳥居をくぐり抜け。多分、正式には逆に来るんだろうけど、あの祠の中を登って、参拝する方がはるかにきつそう。階段をゆっくりゆっくりと降りていきます。登ってくる人とすれ違いますが、みんなハアハア言いながらです。
 鳥居を抜けると、ちょっとした平地、その向こうの崖沿いが小高くなって、てっぺんに祠があります。もちろん、ほぼ全員が祠へと向かいますが、自然の岩場を歩くため、足場が悪くとても危険。うっかりすべればあの世生きという怖い場所ですが、まったく整備の跡がうかがえません。地域の祠でしかないところに、観光客が群がって困ったことになっているというのが実態でしょう。


駐車場を整備中


 崖の向こうは、海を挟んで大きな岩という島みたいにも見えます。日本海の荒々しい波が作り出した光景なんでしょうね。ひと通り見終わると、今度は坂道を降りて駐車場へと向かいます。海自体はエメラルドグリーンで透明度も高くとてもきれいです。駐車場横では漁師らさんらが井戸端会議をしてました。漁港らしく、猫も多いです。

 新しい稲荷さんなので、どんな御利益か未知数ですが、建前では商売繁盛、大漁、良縁、子宝、開運厄除、交通安全、学業成就、願望成就など、言ってみれば全部ですな。そうそう神社横では駐車場を整備中でした。社務所もないような神社だけど、誰が費用を出したのかしら。これだけ観光客があふれかえっているのだから、お賽銭はそれなりの額になっているでしょうけど。それと駐車場は、何台か出た後で、まとめて入れるようにしていました。おそらくのべつ幕なしに走られると、坂を登ってくる観光客には危険でしょう。どおりで動かな分かったわけだ。

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