気になるのは2人の会話がネガティブというほどではないが、すごく不安げ自信なさそうということだ。
「恋愛ってなんだと思う?」「新宿好き?」「なんでお母さん死んだのって聞いても違うこというの」「放射能ってどれくらい漏れてると思う?」「朝までにニュース速報がくると思う。地震や、爆発でまた誰か死ぬかもしれない。そうしたらどうする?」
さらにこんな哲学的なやり取りも。
「そうやっていろいろ知らないまま死んでいくんじゃない」
「知らないし、すぐに死ぬって言葉を使うな」「私は嫌いだから使うの」
うーん、60年代70年代の映画みたいだなあ。
若いのにそんなこと言わなくたっていいじゃん。というか自分が若いとき、そんなことは考えなかったし、言わなかった。何があっても生きていけるという突破力というかエネルギーはあったからだ。それなのにこの2人は。
こういう青春の恋愛ストーリーが評価されるのか、どこか不思議。もちろん監督さんは未来がそんな捨てたものではないと言っている。何度も出逢った売れないミュージシャンのデビュー曲宣伝カーを見て、顔を見合わせる2人。彼女の部屋でまんじりともせずに一晩過ごし、夜明けに小さな鉢植えの花が咲いていることに気づく2人。どこか明るい未来を予感させている。
もしかしたら、自分が20歳のころ、この映画を見たら共感したかな。うーん、やっぱ無理か。池松を軟弱と切り捨て、石橋に突進していったかな。フラれても、そのときはそのときと思うだけ。明るい未来が必ずあると信じていたし。そして今、やっぱ彼らのように悲観的にはなれない。北朝鮮からミサイルが飛んでくるかもしれない。ISのテロ車は突っ込んでこないけど、高齢者の車はいつ暴走するか分からない。でも災難は私には降りかかってこないとどこかで信じている。それがふつーではないのかな。
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