2018年2月21日水曜日

もっと生きたくなった 美味しすぎる神戸牛ステーキ食べて

 美味しい物は食べたきゃお金を出さないと-いい年をして、こんな当たり前のことを言うなんて情けないけど、そうとしか言えないなと思ったのが、神戸牛ステーキモーリヤ凜で神戸牛のリブロースのステーキを食べたときのこと。香ばしい表面に甘さを感じさせる脂身。それもベタベタではなくあっさり。快楽としかいいようがない時間があっという間にすぎていきました。少し前、少々というかかなり重い病気にかかりましたが、こんな美味しい物を食べちゃうと、マジもっと生きたいと思いました。


三宮のモーリヤ凜


 神戸に立ち寄ったとき、ふと本場のステーキを食べてみようと思いました。全国でチェーン展開しているお気軽なステーキ店ではそれなりに食べていますが、本格的なステーキそれも鉄板焼きを食べる機会などわが人生においてほぼ皆無でした。特に知ってる店があるわけではなく、ネットで検索、最初に目に付いたのが、JA全農兵庫直営の神戸プレジールというステーキ店。公的機関経営なら間違いなかろうと電話すると何と閉店中。但馬牛を神戸牛と偽って販売し、営業停止に追い込まれたようです。次に見つけたのがモーリヤという店。神戸でも老舗の雰囲気があります。本店に電話すると、予約で一杯なのでメニューも中身も同じの向かいの「モーリヤ凜」に連絡して言われました。電話するとOKの返事。早速出かけました。

ほとんどモーリヤロード


 生田神社の通じるいくたロード。道路にかかるアーチにステーキのモーリヤの看板。左右に本店、三宮店、凜と並び、ほとんどモーリヤ通りの趣です。雑居ビルの2階、エレベーターで上がると、全く違った雰囲気のシックな入口があります。中に入ると、左右に7、8人が座れる長い鉄板焼きのカウンター。先客はひとカップルだけで、「なんだすいてるじゃん」と独り言。

http://www.mouriya.co.jp/lin/index.html


神戸牛をオーダー、ただし極上ではなく


 メニューは神戸牛とモーリヤ厳選牛にわかれ、ランプのほか、リブロース、サーロイン、フィレがあり、それぞれ1ランク上の極上が用意されていましたが、ここは凡人らしく高い神戸牛ながら2番手のふつーの(意味不明だけど)神戸牛のコースを頼みます。肉の味が違うのでという店員さんのアドバイスを聞いて、フィレ130グラムと、リブ180グラム。モーリヤ厳選牛だと値段は半分ほどだけど、せっかくの神戸、ここは思い切りよく。前菜とパンライスがついたBコースだと、値段は1万円を軽く超えます。
 コックさんが登場し、目の前にまな板に載ったフィレとリブ。薄暗い室内ですが、照明を調整しているのかとても美しい。特にリブの差しの入り方は見事です。まずじっくりニンニクの薄切りを炒めます。スープに前菜、パンなどが出ますが、何の興味もわきません。

フィレ、「柔らかい」、「うまい」


 焼きの最初はフィレから。半分に切った物を焼き、切り分けた一切れがステーキ用の皿に置かれます。ひとくち、「柔らかい」、「うまい」という言葉が出てきます。塩、こしょう、わさびに、2種類のタレが出ていますが、塩を少しつけるだけ、調味料の必要はありません。二口目、やっぱうまい。でも美味しい物を食べるのに時間はかかりません。続いてリブ。あまり厚さがなく大丈夫かなと思ったりもします。フィレと違って、コックさんは脂身の量などで決まっているのか、大きく3つぐらいに分け、ステーキ部分が最初にお皿に載りました。

リブ、美味しすぎて言葉が出ず


 食べると、これがめちゃ美味しいのです。香ばしい表面に甘さを感じる脂身たっぷりの肉。それでいてあっさりした舌触り。こんなリブって食べたことがありません。美味いという言葉が出ず、思わずにやついてしまいました。多分、わが人生の中でもっとも美味しい牛肉なのかもしれません。もちろん柔らかく、口の中で溶けるようでもあります。
 リブはちょっと肉の厚みが薄く感じましたが、むしろそれがいいみたいです。勝手な想像だけど、もっと肉厚だと歯ごたえとかが違った物になる気もします。至福の時間は短いというか、あっという間に食べ終わりました。
 リブの脂身の部分は小さく刻まれてからからにして、もやしと一緒に炒め物。これも美味でした。

今まで食べた牛肉って?


 これは全く予想外だったけど、頼んだパンが美味しいこと。クルミの入ったパンと小さなフランスパンですが、どちらもステーキによくあい、いくらでも食べられる気がしました。きちんと合わせた結果なんでしょうね。
 しかし、ここまで美味しい物を食べてしまうと、じゃ今まで食べた牛肉って何だろうと思います。低価格でも美味しいと感じた物はありますが、明らかに別物。赤身の多い米国などのリブなども私の経験の範囲内では、違った食べ物と考えた方がいいと思います。
 それにしても、美味しい食べ物は人生を楽しくするものなんですねえ。食べ物をまったく受け付けられなくなった厳しい抗がん剤治療とその後の味覚障害を経験して、ほとんど興味を失っていましたが、美味しい物が食べたい、そのためにはもっと生きていたいと意欲がわいてきました。不思議なものですねえ。
 

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