2018年2月18日日曜日

カイガラムシ、根絶戦を開始 夏みかんを取り戻すために

 すす病に取り付かれたわが実家の夏みかん。わずか1本の木で1年間300個以上も汚れのない実がなっていたが、数年前から100個がせいぜい、それも8割はすす病におかされ黒い斑点で覆い尽くされたり、腐ったように真っ黒になったりの出来損ない。そこで、復活を目指すことにした。すす病の原因となるカイガラムシを根絶やしに追い込むこと。2017年、散発的な攻撃を加えたが、圧倒され全く効果がなかった。そこで、彼らがまだ未熟な冬場に根絶戦を仕掛けたのだ。勝利をおさめることができるのか。


幹を埋め尽くす白い虫


 この2、3年駆除についてはネットでいろいろ調べてきた。カイガラムシが成虫となる春以降は眉のような物に覆われるため薬物が効かず、中には「テデトール」(手で取る)との意見さえあった。実際、幹にびっしり張り付いたカイガラムシ集団をこそげ落としたりしたが全く効果はなく、しばらくすると、それ以上に幹を埋め尽くしているありさま。 秋風を聞いても決して衰えることなく、正月明けに夏みかんを収穫した際も、むしろ夏場よりひどいくらいの発生量だった。

まず葉っぱと幹のせん定


 根絶作戦は2段構えだ。収穫後、料金の安いシルバー人材センターに依頼し、葉をせん定してもらった。来年の実りのことを考え、せん定量はある程度とも思ったが、枝の先までびっしりと埋め尽くしているのを見て、できるだけ多く切ることにした。結果は次の通り。10分の1ぐらいまで葉っぱが減った。これぐらい葉っぱがあれば20-30個はなるでしょうとシルバーの庭師さん。きれいなものが10個もあれば、ジャムが瓶10個ほどできるのでまったく問題ない。
 せん定された枝や幹を見ると、先の先までカイガラムシ。日当たりの良いところは嫌うと言われていたがまったく意に介さずって感じ。幹の途中から上に伸びる枝も役に立たないという庭師さんの意見を聞き、どんどん切ってもらった。

せん定前の夏みかん、葉がびっしり
せん定後、すっきり

マシン油製剤とオルトランDX


 風通しがあまりにもよくなったところで農薬の散布だ。近所のホームセンターで聞き、2つの農薬を準備した。1つがマシン油製材、もう一つがオルトランDX。マシン油はいわゆる機械油を純化したようなもので、よーするに木の表面のワックスとなり幼虫を窒息死させるようだ。ネットでどこを見ても「こいつが決め手」みたいに書いてある。窒息死させるしかないなんて、なんちゅう虫だ、カイガラムシは。

 実はミカンの木があるのは西日本の実家。最初は現地で買おうと思ったが、ホームセンターに電話したところ「あと1個だけ、この時期だけ売れる農薬で、今後入荷するか分からない」と言われる。やっぱりミカンは西日本。首都圏の近所のホームセンターはたくさん並んでいた。だから購入して、持って行ったという次第。
 オルトランDXの方は根っこにばらまいて吸収させる仕組み。まあ、木の大きさから見てなかなか難しそうだ。


蓄圧式噴霧器でびっしり散布


 マシン油噴霧用に600円ほどの蓄圧式の噴霧器を買った。ピストンを30回ぐらい押し込み、空気を圧縮してその勢いで噴霧する。農薬の散布など生まれて初めての経験だ。説明書に30倍から50倍に薄めろと書いてある。噴霧器に50CCほど入れ、水を入れてよく降る。油なのに水で薄めるのか?と未だに疑問だが、とにかく混ざり合ったところで、噴霧のスタートだ。
 広くばらまこうとしたが、何となく効果がなさそうなので、それぞれの幹、枝、葉に集中してびっしり隙間なくまいた。少なくとも幹表面は全部、マシン油で覆った。先端部分にある葉っぱはどれだけ覆えたか疑問だが「裏にもまいて」というホームセンターのアドバイスでできるだけ、かけるようにした。50CCを計3回。水の量にして約4リットルぐらいを噴霧した。毛糸の帽子にマスク、軍手にカッパと一応、防備したが、特段、臭いもせず、あまり負担は感じなかった。


交通費が一番大きいかも


 最後にオルトランDXをばらまいて終了。枝や葉っぱを落としていたため、トータルで1時間ほどで終わった。さて、どこまで効果があるのか。カイガラムシのヤツらを根絶できるのか、春先になれば分かるはずだ。ここまでかかった経費はせん定に9000円。農薬と噴霧器に3000円ほど。もっとも大きいのは出かける交通費。往復4万円。我ながらよくやるわ。

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