2018年2月12日月曜日

マイナンバー、国はあまりにも不親切 必要なのはカード

 2016年1月から始まったマイナンバー制度は、今年2018年から銀行など金融機関の預貯金、証券取引などの情報とマイナンバーの紐付け管理がスタートした。具体的な仕組みはともかく、個人の資産情報が国税など行政当局に筒抜けになる仕組みができあがったようだ。
 だが、その基本になるマイナンバーの運用に関して、国はあまりにも不親切な対応をしてきたのではないかという疑問がある。一言でいえば、各個人にとって必要となるのは、マイナンバーではなく、マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード。つまり使う場面では、事実上のIDカードが要求され、マイナンバーを憶えていてもほとんど意味がないということだ。多くの人はそうは思っていなかったはずだ。ナンバーを知っておけばいいと。
 IDカードが必要ならば、免許証や健康保険証のように最初から作ればいい。なぜそうしたまともな対応ができないのか。

通知カード?誰も必要とは思わない


 マイナンバーの通知カードが届いたときのことを皆さん、記憶があるだろうか。封筒に入ったぺらぺらの紙。誰も「カード」とは思わない単なる紙だ。当時、写真を送ればマイナンバーカードを無料で作るという説明がなされていたという記憶がある。周囲の誰も、作っていなかった。それが今になって困惑の原因になる。

行方不明の人も多く


 昨年末から今年にかけ、金融機関からマイナンバーカード、あるいは通知カードの提示が求められるようになる。2018年からは確定申告にもマイナンバーの記入が必須となった。さて、じゃあどうしようと、なったとき、通知カードが行方不明になっている。封筒とぺらぺらの紙だ。郵便物に紛れてしまえばどうにもならない。
 外に出してしまい、くちゃくちゃになれば、ただのゴミ。カードなどとはとてもいえない。中にはマイナンバーさえ分かればいいと、ナンバーだけを控えて、通知カードを廃棄した人もいる。

必要なのはIDカード ナンバーは意味のない数字


 冷静にマイナンバーの仕組みを考えてみれば分かるだろうが、マイナンバーといってもそれが証明できる仕組みがないと結局、役に立たない。つまりは運転免許証と同じなのだ。免許証には免許番号が書いてあるけど、そんなもの誰も憶えていないし、交通事故で警察にそれを言ったところで、免許証不携帯になってしまう。

カード作りに500円?あほか


 自分を証明する手段として、運転免許証や健康保険証が使われるが、マイナンバーも同じようなもの。ただし、マイナンバー証を持っていることが前提、つまりはIDカードを所持しろということなのだ。であれば、最初からそうすべきだったのではないか。今から作ろうと思ったら500円。バカなことをお言いでない。持っていなければ銀行通帳さえ作れないではないか。

間もなく混乱の始まり


 金融機関はまだ年内に提出してほしいなどと甘いことを言っているが、2019年になれば、カードを持っていなければ口座作りもダメと言われてしまうだろう。
 今からでも遅くはない。IDカードである以上、無料で作れるように対応しなさい、どのみち、間もなく混乱が起きるのだから、トラブルの目は少しでも摘んでおく方がましだ。

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