ラブラブな彼女(彼氏)と心地よい部屋で情熱の夜をすごしたいとき、最適とも言えるのが神戸北野ホテルでしょう。おしゃれな神戸の観光スポット北野のやや外れの位置にあるトアロード沿いの中規模ホテルですが、かなりカップルを意識した造り。情熱の一夜なら、ラブホでいいじゃないかという意見もありますが、それに飽き足らない裕福なカップル向けのお話。もちろん余裕がなくても、ちょっと無理するのもいいかも、と思うぐらいの充実ぶりです。
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夜、とてもおしゃれな外観 |
シティホテル、しょせんはビジネスマン向け
1980年代後半のバブル真っ盛りの頃、クリスマスの朝、東京都心のシティホテルのフロントは、チェックアウトの若い男女が列を作っていたといわれ、バブルを実感したものでした。でも、今考えると、あのシティホテルという存在はカップル向きだったとは思えません。
スイートルームに泊まれるほど裕福なら別ですが、通常はスタンダードツインかダブルというところでしょう。30平方メートルほどの部屋。ダブルを求めても圧倒的にツインの部屋が多く、回ってくるのはツイン。基本が高級ビジネスマン向きの造りなので、バスタブは1人は入れればせいぜい、おまけにトイレも同じ室内にあるユニットバス。広さは違っても、バスルームの造りは中級ビジネスホテルと変わりません。
ニューオータニ、全日空、どちらも消滅したけど赤坂、六本木のプリンスホテル、当時カップルに人気のホテルはどこも似たり寄ったりです。スタイリッシュであっても、わくわく感はありません。今はコンラッドなど海外組が多数進出していますけどね。そちらは正直、よく分かりません。
心豊かなひととき オーベルジュ
さて、神戸北野ホテルはどうでしょう。かつて中級のビジネスホテルでしたが、阪神大震災で被災後、建て直されたホテルはとてもシックに変身しました。ホームページは
「美食を愛でる、心豊かなひとときを過ごしていただきたい」
「その思いをコンセプトに生まれたオーベルジュ」
「世界一と称される朝食をはじめ」、
「一流のおもてなしの心で、訪れる人を至福の時間へといざないます」
つまりは美食が楽しめるシティリゾートをとても意識したコンセプトです。
可愛いソファのセット
自動ドアでない戸を押して入ると、こぢんまりしたホール。左手がフロントで正面はレストランのダイニング 「イグレック」です。チェックインを済ませて右手のエレベーターから客室に向かいます。中央が吹き抜けになっており、イグレックを見下ろしながら廊下を歩いて客室に入りました。
スタンダードツインルームで、入ってすぐかわいらしい応接セットが目に飛び込んできました。肘起きまでカバーが掛かるシックな造りの椅子。間には丸テーブル。奥にベッド2つが並びますが、くっついていて大きなダブルベッドの感じです。
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なんとも可愛らしい客室内 |
2人入っても余裕のバスタブ バブルジェット付き
窓の外は民家。周囲が住宅地なのでこれは仕方ないことかな。高層ホテルだと趣が変わってしまいますし。データを見ると、30平方メートルほどですが、あまり広さは感じません。肌を合わせていることが多いラブラブカップルにはちょうどいい広さかも。
バスルームは充実しています。バスタブ部分は全面ガラスで仕切られていて、面倒なシャワーカーテンを使わずに済みます。洗い場もある上、バスタブは広く2人入っても余裕。バブルジェットもついていて、ジャグジー気分も楽しめます。お気づきのように、ラブホのコンセプトが影響してそう。
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2人入って余裕の広さです |
トイレにも工夫
残りの部分が洗面台とトイレ。トイレは別部屋にはなっていませんが、くぼんだ場所にあり、バスルームの戸を開けただけでは見えないようになっていました。いくらラブラブとはいえ、トイレの姿は見られたくないもの。どちらかが風呂に入っていても、トイレが使える工夫のようです。
これに「世界一」が売りの朝食。そうそう、テーブルの上にあったクッキー、備え付けのコーヒーも美味。
情熱の時間プランをご提案
部屋の広さからいって、室内で夕食はちょっともったいないでしょう。ルームサービスがあるかどうかは知らないけど、オーベルジュに泊まっているのだから、ホテル内レストラン、あるいは少し歩いて三宮、北野界隈でいくらでも食べられます。
そこでプランのご案内。観光を終えて夕暮れ前にチェックインしたら、まず情熱の時間。夏場ならひとシャワーを浴びて。
食事に出かけて戻ってきた後は、2人でゆっくりバスタイム。ボタンを押すと5、6分でお湯は適量。すりガラスの窓で温度が交換されるためか、熱気がこもらず、結構長目の入浴が可能です。惜しむらくは外国の風呂のようにバブルジェットで泡泡になる入浴剤やボディシャンプーが用意されていないこと。泡で満たされたお風呂は特に彼女に満足してもらえそう。
風呂上がりはくつろぎの時間。着心地のいいタオル地のガウンでゆったり。ホテルでは珍しくパジャマも用意されていました。
「世界一」の朝食までたっぷりの時間
残りは2人きりの本格的な情熱の時間。「世界一」の朝食までいくらでも時間があります。体力があれば、何度でも新しい世界に飛び立てるでしょう。人によっては声が聞こえないかと心配の向きもありますが、ラブラブカップルが多いホテルの雰囲気からいって、大目に見てもらえそうです。
朝食の時間はチェックイン時に決める仕組み。前日、翌朝の食事を考えるのは少々、面倒ですが、世界一ということで我慢。でも時間が決まっていると、その前後で午前中の情熱タイムが有効に過ごせます。チェックアウトは12時と遅め。バスタブにつかりすりガラス越しに差し込む太陽の光のもとで2人が一体となって目一杯楽しい時間も過ごせます。
本格カップル向けホテル
少々、難を言えばPCを置いて作業をするようなデスクがないこと。そのためか、コンセントはあっても、スマホ充電のための適当な位置のコンセントは見つかりませんでした。
というわけで、日本にもカップルで楽しめる本格的なホテルが登場してきたように感じます。ただし、観光やビジネスで宿泊だけが目的、もしくはカップルでもお互いが空気のような関係だと、これらの設備はむしろ鬱陶しくなるのでおすすめしません。あくまでも幸せなラブラブカップル向けなのです。