2018年1月19日金曜日

作り付けの引き出しを直す 25年以上前の部品、まだ売られてた

 今年で築25年のわがマンション。さすがに老朽化が進み、作り付けになっている台所の引き出しの一段のレールが壊れた。引き出しは左右の壁の真ん中付近に深さ1センチほどの溝が切られており、箱側に取り付けられたプラスチック製の出っ張りと溝が合わさって前後に滑る仕組み。左右の出っ張り部分が経年劣化か、いずれもがたがたに壊れている上、固定しているねじも落ちていた。さてどうやって修理するか。そもそも直せるのか。

上団はローラーがなくなっている

 ホームセンターでは見つからず



 4段ある引き出しを全部抜いて、出っ張りの状態を見てみた。がたがたに壊れたのは、最下段だが、物の出し入れが多い最上段も、入り口付近にあるローラーが取れて跡形もなくなっていた。出っ張りを取り出してみると、スガツネ 「SB257R-2」という製品番号らしきものが見えた。ググってみると、スガツネ工業という会社のプラスチックレール一段引きという商品と分かった。画像を見ると、まったく同じ物。「これで大丈夫」とひと安心した。ところが話はそう簡単ではなかった。

 汎用品だから大丈夫と思って、ホームセンターに出かけてみたが、引き出しのレール自体がなかなか見つからない。店員さんに聞き、並んでいるところを見たがそれらしき商品はない。「その商品は取り扱いはないです」とあっさり。買ってすぐに修理しようともくろみはあっという間に崩れた。

製造会社は一般顧客に対応せず


 困って本家本元のスガツネ工業に電話してみた。といって、ネットを見ても正確に本社は分からず、(最近、ホントこのタイプが多い)東京のショールームの番号に電話してみた。一般消費者には販売しておらず、買いたい場合は金物屋さんやホームセンターなど店を通してください、と言われる。特殊な商品だし、これまた仕方ないと思い、ホームセンターに出かけて注文可能かどうか聞いてみた。「取引はなく取り寄せになる」と店員さん。依頼しておくと、しばらくして電話がかってきた。商品は1個200円だが、配送料が1700円。取引がない会社だとこうなっちゃうんですけどねえ。「配送料が高すぎるのおすすめはしませんが、それでも買いますか?」。ということで見送り。

アマゾン、楽天よりモノタロウ


 最後の手段がネット検索。最初にやれという声もありそうだが、近所のホームセンターで買えば配送料はただだからと、せこいことを考えてたいた。アマゾン、楽天、モノタロウといずれも商品が見つかった。ただアマゾンは業者の販売で「1つだけ売る」というわけのわからない設定になっており見送り。楽天は送料がイマイチ分かりにくい。最後の頼みと見たモノタロウは1個179円で数量はいくらでも注文でき、3000円以内の送料500円。これだと安心とネットで注文、翌日には商品が届いた。


30分ほどで修理終了


 引き出しを全部抜いて状態を調べたとき、面倒くささそうに見えたが、ねじを外して、プライヤーを使って元のスライドレールを取り外す。そこに新しいレールの2カ所に付いたくいのような物を、元からの穴に押し込むようにして取り付け、元のねじを止めるだけ。1つの作業時間が数分ぐらいで、30分ほどで最上段と最下段それぞれ左右の計4つ分を取り替えた。引き出しは以前のようにスムーズに開け閉めできるようになった。作り付けの家具を修理するなんてかつては想像もしていなかったが、案外できるものだと驚いている。スガツネ工業が25年も前の商品を作って販売していたことも興味深かった。


ニーズが実際あるというのに


 いろんな事情があるとはいえ、スガツネが実際のニーズがあるにもかかわらず、一般の顧客には売れないとか、ホームセンターが取り寄せようとしたらバカ高い送料がかかるとか、もう少し対応の余地があるのではないかと感じた。その一方でアマゾンのビジネス需要進出で危ういと言われていたモノタロウが、たった1つの事例とはいえ、品揃えのよさ、送料の明確化、迅速な出荷など、この領域ではアマゾンを大きく上回るかなりのレベルにあることをうかがわせた。

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