2018年1月16日火曜日

やっぱり空母に改造か いずも型護衛艦

 2017年末の押し迫ったころ、新聞各紙に「いずも型護衛艦の空母化検討」という記事が掲載された。読売が最初に書き、それを各紙が追っかけたという裏話はともかく、「やっぱりこの日がきたのか」というのが正直な感想だった。いずもと同型の護衛艦「かが」が進水したばかりの昨年春、横須賀港に停泊するかがの巨体を見たが、素人目にはどう見ても空母。能力を生かすために遠くない日、必ずリニューアルされると思っていたからだ。憲法9条があり、専守防衛を国是とする国がなぜ空母のような攻撃型兵器を持つのかと、疑念がわくのは当然だ。その一方で海洋進出を目指し、どんどん海軍を強化する中国、そして安倍首相が「国難」と訴える、北朝鮮の核開発。こうした動きを見れば、対抗するには空母保持も致し方ないとする考えもあるだろう。もちろん、国の予算編成時期なのでアピールを狙ったヨタ記事との見方もあるが、やはり気になる報道である。
 
「いずも」と同型の護衛艦「かが」

垂直離着陸機F35Bを搭載?


 各紙の報道によると、2019年から始まる新たな中期防衛計画でいずもを戦闘機が発着できる空母に改修するというもの。垂直に離着陸できる米海兵隊のステルス最新鋭戦闘機「F35B」の運用を想定。改修では短距離滑走で離陸できるよう船首にジャンプ台を増設したり、垂直離着陸時に出る熱に耐えられるよう、甲板の耐熱性を高めるたりすること、管制機能を強化することなどを検討しているという。報道通りとなれば、太平洋戦争の旧日本海軍以来、70年以上の時を経て、戦闘機搭載の艦船が登場することになる。

F35B

日本右傾化の声も


 いずも型は基準排水量約1万9500トン、全長248メートルの海上自衛隊最大の護衛艦。同時に9機のヘリコプターを運用できる。全長248メートルといえば、真珠湾攻撃に出動した日本海軍の空母「赤城」などと同じぐらいの大きさ。当時のプロペラ機と現在の戦闘機の違いはあるとはいえ、ヘリだけのために作ったとはとうてい思えない艦船だ。もともとF35Bの運用を前提に設計されたという説もあり、格納庫と甲板をつなぐエレベーターは同機を乗せることが可能。しかしながら、あくまでも護衛艦というのが、政府の建前だった。
 もっとも、こうした建前を額面通り受け止める関係者はいないだろう。米国は同盟軍として当然のこと知っていただろう。中国、北朝鮮、韓国いずれもが、日本の動きを警戒していたはずで、遅かれ早かれ日本の右傾化だの再軍備だのとの報道や論評が出るだろう。
 
いずも型より一回り小さい護衛艦「いせ」

防衛相は否定するが


 この報道を受けて、小野寺五典防衛相は「F35Bの導入やいずも型護衛艦の改修に向けた具体的な検討は、現在行っていない」と否定。これもまた、防衛省らしいいつも態度で応じたようだ。
 軍事力という周辺諸国に対してデリケートな問題は確かにあからさまな身もふたもないことを言うのは変だろう。
 しかし、誰がどう見ても空母にしか見えない艦船をへり護衛艦とごまかしたところで、余計な不信感を高めるだけではないか。ましてや、ミサイルを他国の上空を平気で飛び越させるような国が現実に現れているとき、以前と同じ態度を示す方がある意味、変だ。「素直にヘリ空母にする。北朝鮮の脅威に対抗するためだ」と言えばいい。まあ、目と鼻の先の隣国の間に空母を浮かべることがどれほどの意味があるかは分からないけど。

またピカドンなんて想像したくもない


 それにしてもだ。北朝鮮というバカ国家。何とかならないものか。核戦争で自滅するのは知ったことではないが、それでも大量の放射能は日本に降り注ぐ。ましてや日本に核ミサイルが飛んできて、ピカドンとなれば、東日本大震災や福島原発事故とは比較にならないぐらいの悲劇が起きる。中ソ両国が国境に機動部隊を並べ、核開発をやめなければいつでも侵入するぞと脅すのが一番だと思うけど。遠く離れたアメリカじゃ、どうも迫力がないわ。

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