定年直後に国保加入はとんでもない保険料 任意継続は猶予期間
自治体によっては、ホームページの中に国民健康保険料を試算できるサイトをもうけており、簡単に試算ができる。そこで、まず60歳定年後、すぐに企業の健保から国保に加入するとして計算してみた。すると、とんでもない保険料になった。前年は現役だから収入は多い。その結果、年間80万円という結果になった。世間一般では給料が多い方の会社に勤め、最後は管理職だったが、まさか退職後の年間収入とほとんど変わらないほどの保険料になるとはびっくりだった。
ここで登場してくるのが健保の任意継続という制度だ。2年間の期間限定。企業の健保の場合、現職は会社側が半分ぐらい保険料を出しており、自己負担は1万円を切るぐらいが普通だが、その分がなくなるため、保険料は倍以上に跳ね上がる。年間30万円ぐらいはかかる。それでも国保に比べれば、とんでもなく安い。定年即退職の場合は任意継続をおすすめと言うほかない。
フルタイム継続雇用は選択の余地なし
ただ、定年と同時に大半の人が仕事を辞め、年金で暮らす時代は終わり、多くのサラリーマンの場合、継続雇用という形で働く。フルタイムの場合は健保はそのままの保険料で継続されていくので選択に悩むことはない。継続雇用でも週労働時間20時間未満の場合は、どうするか。上記の理由で任意継続を選ぶほかない。1年目は現職の収入で保険料が決まるからだ。
任意継続は2年まで、途中やめられない
問題は2年目からだ。継続雇用の場合、フルタイムであろうが、週20時間未満であろうが、収入は現職に比べ大幅減。特に後者は多くても年収100万程度で任意継続の保険料30万ということになる。では、その収入で国保の保険料がいくらになるかというと、1人月3000円ぐらいとなり、夫婦で6000円×12カ月で7万2000円。国保の方が圧倒的に安い。
では乗り換えればいいではないかというと、ことはそう簡単ではない。任意継続は2年間の間、自分からやめることはできない仕組みなのだ。通常であれば、30万円を払わなければならない。いろいろ調べると、裏があるようなのだが、それは後述する。
継続雇用後は国保も任意継続も変わらず
一方、継続雇用のフルタイムで働いた人がやめたときはどうかというと、多くの人は退職後の給与が現職に比べ大幅に減っている。年収400万ぐらいだと、保険料は任意継続も国保もあまり変わらなくなる。そこは面倒くさがらずに計算しておくことが必要だろう。市町村のホームページで簡単にできるのだから。
では私の場合はどうか。退職後はフルタイムの契約だったが、大病を患い、ほぼ1年働けなかった。年金も出ないことに同情したのか、会社は契約はそのまま、すべて欠勤扱いとし、3分の1に減っていた給料のまた3分の1ぐらいを支給した。まったく働いていないにもかかわらずだが、ここまで激減すると、結構苦しい。ただし、保険料は現職と同じなので安かった。
何も考えずに任意継続
1年経過して、復帰したとき、体調からフルタイムは不可能になり、欠勤を繰り返しながら働いた。3カ月ほど働き、次に週20時間未満の働き方を選択、そこで、任意継続か国保かの選択を迫られた。そして何も考えず任意継続を選択した。今、計算してみると、国保の年間保険料は20万ほどだった。あちゃーと思ったが、もう遅い。
そして2018年4月からの来年度。先に試算したように7万2000円ぐらい。30万円はあまりにも高い。任意継続のことを調べてみると、資格を失うのは、ほかの企業に就職して健保に入ったときか、保険料の支払いが1日でも遅れた場合と書いてあった。もしそうであれば、保険料不払いを強行するしかないのだが。何か落とし穴はないのか、思案中だ。任意継続は現職からの退職直後のサラリーマンには有利な制度だが、場合によっては国保の方がもっと安く済むことを知っておいた方がいい。
もっとも、こんなお話も仕事をすべてやめ、年金暮らしになれば選択の余地はなく国保。夫婦合わせて年金が200万ぐらいだと保険料は10万円を切るぐらいだ。
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